本記事にはアフィリエイト広告を含みます。掲載している互換情報は各メーカーの公開仕様に基づいており、広告の有無によって内容を変えることはありません。
結論:ゲームだけならどちらでも。分かれるのはソフトとOSです
ゲームをするだけなら、どちらのメーカーでも動きます。どちらかでないと遊べないゲームがあるわけではありません。答えが分かれるのは、AIや動画編集のソフトを使うときです。しかも分かれ目はメーカーではなく、WindowsかLinuxかというOSのほうでした。
結論に合う候補を見る(ページ内の製品カードへ移動します)
この記事で比べるのは、動くか動かないか(対応の有無)だけです。2社の価格やコストパフォーマンスの比較は扱いません。
これは、これから買うグラフィックボードを選ぶ方のための記事です。
いま使っているパソコンが動かない・落ちる・AIが遅いという方は、こちらの記事も併せてご確認ください。
やりたいことで、答えが変わります。ゲームだけなら、どちらを買っても遊べます。画像生成やローカルLLM、動画編集をやるなら、使うソフトの側に対応が書かれているので、そこで決まります。
ゲームだけなら、どちらでも動きます
どちらかのメーカーでないと起動しない、というゲームはありません。PCIeのスロットに挿さり、電源が足りていれば動きます。挿す前に確かめる項目はグラボが自分のPCで使えるかにまとめました。
どちらが速いかは、当サイトでは分かりません。fpsを測っていないためです。さらに、両社が公表している性能の指標が同じものではないので、公表値を並べることもできません(理由は下の節に書きました)。速さを比べたい場合は、実際に測っているレビューをご覧ください。
画質を上げる機能の名前は違います。NVIDIAはDLSS、AMDはFSRという名前で、ゲーム側がどちらに対応しているかは作品ごとに違います。手持ちのカードでDLSSが使えるかはDLSSが出てこない・選べない場合で型番から確かめられます。
買い替えなくてよい場合
いま使っているグラフィックボードで、そのソフトが動くなら買い替える理由はありません。この記事が扱うのは「公式に対応と書かれているか」だけで、速さの話ではありません。動いていて不満が無いなら、そのままで足ります。
遅いと感じている方は、こちらの記事も併せてご確認ください。
5本のソフトの公式な動作要件
先に用語だけそろえます。CUDAはNVIDIAのGPUで計算をさせるための仕組み、ROCmとHIPはそれに当たるAMD側の仕組みです。OptiXはNVIDIA専用のレイトレーシングの仕組み、NVLinkは複数のNVIDIAのGPUをつなぐ仕組みです。RDNAはAMDのGPUの世代の名前で、数字が大きいほど新しくなります。
「AMDだと動かない」ソフトは、調べた5本のなかに1つもありませんでした。分かれ目は別のところにあります——WindowsかLinuxかです。
判定は「対応」「非対応」「条件つき」の3つだけです。同じソフトでもOSで変わるので、2列に分けています。
| ソフト | Windows | Linux | 公式にどう書かれているか | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| Adobe Premiere Pro | 対応 | 対応 | Windowsの最低要件に「Windows with Intel or AMD GPU with at least 4GB of GPU memory」とあり、NVIDIAと並列に書かれています | むしろNVIDIA側に条件があります——「GPU must be of the Maxwell generation (2014) or newer」 |
| Blender(Cycles) | 条件つき | 条件つき | 「HIP is supported on Windows and Linux and requires a AMD graphics card with the RDNA1 architecture or newer.」——AMDは公式に対応しています | ただしNVIDIA専用の機能があります。「Open Shading Language is only supported for OptiX」で、OptiXは「requires a NVIDIA graphics cards」。複数GPUのメモリ共有も「The exception is NVIDIA GPUs connected with NVLink」 |
| DaVinci Resolve | 条件つき | 条件つき | 「most modern Intel, AMD and NVIDIA GPUs that support Metal, OpenCL 1.2 or CUDA 3.0 compute capability will operate with DaVinci Resolve.」と書かれていて、AMDも対象に含まれています | ただしこれは2018年の版(Resolve 15)の構成ガイドによるものです。現行版の公式な動作要件は、当サイトでは見つけられませんでした |
| PyTorch(機械学習) | 非対応 | 条件つき | Linuxでは ROCm 版が公式に配布されています。Windowsを選ぶと「NOTE: ROCm is not available on Windows」と出ます | Windows向けの解説には「It is recommended, but not required, that your Windows system has an NVIDIA GPU」とあります |
| Stable Diffusion web UI | 非対応 | 条件つき | 「Windows+AMD support has not officially been made for webui」——公式外のforkへ案内されます | Linuxなら公式手順があります。ただし条件つきで、「For many AMD GPUs, you must add `–precision full –no-half` or `–upcast-sampling` arguments to avoid NaN errors or crashing.」 |
| Ollama(ローカルLLM) | 条件つき | 条件つき | WindowsとLinuxの両方でAMDに公式対応しています。Linuxは「the AMD ROCm v7 driver on Linux」、Windowsは「an AMD ROCm v7 / HIP7-capable driver stack on Windows」 | ただし対応カードの範囲が違います。Linuxは Radeon RX 6800〜9070 XT・Radeon PRO・Ryzen AI・Instinct まで並びますが、Windowsに載っているのは Radeon RX 7000シリーズと一部の Radeon PRO だけです。手持ちの型番が一覧にあるかを確認してください |
| LM Studio(ローカルLLM) | 条件つき | 条件つき | システム要件のページはGPUのメーカーに一切触れていません。書かれているのは「GPU: at least 4GB of dedicated VRAM is recommended」だけです | ROCm版そのものは配布されています。変更履歴には「[Linux][ROCm] Support for AMD 9000 series GPUs and Ryzen AI PRO 300 series integrated GPUs」(0.3.19・2025-07-21)とLinuxのタグ付きで載っています。Windows専用のROCm対応を明記した記載は確認できませんでした(2026-08-30時点) |
通説は「CUDAが要るかどうか」ですが、調べた範囲ではそうなりませんでした。5本のうちAMDを全面的に非対応としているものは0本です。代わりに出てきたのはOSの線で、PyTorch と Stable Diffusion web UI は、WindowsだとAMD向けの公式の道がありません。Linuxなら公式に用意されています。
OSで答えが変わるのはPyTorch(機械学習)、Stable Diffusion web UIの2本です。使いたいソフトとOSを選ぶと、互換チェッカーの「NVIDIAかAMDか」で同じ判定が出せます。
どちらが速いかは書きません。当サイトは測っていません。書けるのは「公式に対応と書かれているか」までです。
性能の数字を、そのまま並べられない理由
NVIDIAとAMDの性能の数字は、そのまま並べられません。
| メーカー | 公表している性能の指標 |
|---|---|
| NVIDIA | NVIDIAは「AI TOPS」という1つの数字で公表しています |
| AMD | AMDは「AI TOPS」という語を使っていません(製品ページ・トップページ・プレスリリースで0件)。代わりに精度別のピーク行列演算性能を公表していて、FP16/FP8/INT8/INT4 の4精度それぞれについて構造スパース性あり・なしの2通りを併記しています |
数値としてNVIDIAのAI TOPSに近いのは、AMDのINT8行列のピーク性能(TOPs)です。ただし、NVIDIAのAI TOPSがスパース性ありの値かなしの値かは、AMD公式の資料からは分かりません。当サイトはこの対応付けを確認できていないので、両社の数字を並べた表は作りません。
参考までに、AMDが公表しているINT8行列の値だけを並べます。NVIDIAの数字とは並べません。
| カード | INT8行列 | INT8(構造スパース性あり) |
|---|---|---|
| RX 9070 XT | 389 TOPs | 779 TOPs |
| RX 9070 | 289 TOPs | 578 TOPs |
| RX 9060 XT | 205 TOPs | 410 TOPs |
AMDが公表しているカードと価格
店頭の価格は日々変わるため、この記事には載せていません。ここに載せるのはAMDが公表している価格だけです。当日の価格は商品リンク先でご確認ください。
| カード | VRAM | AMDの公表価格 | 推奨電源 | 補助電源 |
|---|---|---|---|---|
| RX 9070 XT | 16GB GDDR6 | $599 USD | 750W | 8ピン×2 |
| RX 9070 | 16GB GDDR6 | $549 USD | 650W | 8ピン×2 |
| RX 9070 GRE | 12GB GDDR6 | $549 USD | 650W | 8ピン×2 |
| RX 9060 XT 16GB | 16GB GDDR6 | $349 USD | 450W | 8ピン×1 |
| RX 9060 XT 8GB | 8GB GDDR6 | $299 USD | 450W | 8ピン×1 |
AMDは日本円の提示価格を公表していません。製品ページ・プレスリリース・日本語ページのいずれにも円の記載がありませんでした(2026-08-29確認)。当サイトが為替で換算することもしません——換算した瞬間、それは当サイトが作った数字になります。
価格は製品ページに載っていません。プレスリリースとブログにしかありません
推奨電源の書き方が、2社で違います
推奨電源の書き方が、2社で違います。
| メーカー | 書き方 |
|---|---|
| NVIDIA | NVIDIAは必要システム電源に注釈を付けています——「最小要件は Ryzen 9 5900X プロセッサ搭載の PC に基づいています」。50シリーズの全ファミリーで同じ注釈を確認済みです |
| AMD | AMDは「PSU の推奨最低要件」を数値だけで載せていて、前提となるCPUや構成の注記は付いていません(2026-08-29確認) |
前提が書かれていないと、自分の構成で余裕が増えるのか減るのかが判断できません。注釈があるNVIDIA側も、その前提より重いCPUを使えば余裕は減ります。どちらの数字も、そのまま自分に当てはまるとは限りません。
手持ちの電源で足りるかは、電源の容量の判定で確かめられます。
間違えるとどうなるか
買ってからでないと、使えないと分かりません。WindowsでAMDのGPUを買い、PyTorch や Stable Diffusion web UI を使おうとすると、公式の手順がありません。Linuxに移るか、公式外のものを使うか、買い直すかになります。逆に、動画編集だけならAMDが公式の動作要件に入っているソフトのほうが多いので、「制作ならNVIDIA」を鵜呑みにすると選択肢を狭めます。
決めたあとの候補(GeForceとRadeonを1つずつ)
上のとおり、ゲームだけならどちらでも動きます。使いたい機能で決めたあとの候補として、GeForceとRadeonを1つずつ並べています。対応を確認しやすいメーカーの製品から1つずつ選んで並べたもので、当サイトが実際に使用して比較したものではありません。購入前には、必ずメーカーの仕様欄で対応状況をご確認ください。
MSI GeForce RTX 5060 8G VENTUS 2X OC グラフィックスボード VD9187
ASRock | アスロック Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GB (RX9070XT SL 16G)
よくある質問
AIをやるならNVIDIAでないと駄目ですか。
OSによります。PyTorch は Linux なら ROCm 版が公式に配布されていますが、Windowsを選ぶと「ROCm is not available on Windows」と出ます。Stable Diffusion web UI も「Windows+AMD support has not officially been made for webui」と書かれています。Linuxなら公式の道があります。
動画編集はどうですか。
Adobe Premiere Pro は、AMDを最低要件に含めています(「Windows with Intel or AMD GPU with at least 4GB of GPU memory」)。むしろNVIDIA側に「Maxwell世代以降」という条件が付いています。
Blenderは使えますか。
公式に対応しています(HIP)。ただしNVIDIA専用の機能があります——「Open Shading Language is only supported for OptiX」で、OptiXはNVIDIAのGPUを要求します。
どちらが速いですか。
このページでは分かりません。測っていないうえ、NVIDIAは「AI TOPS」、AMDは精度別の行列演算性能(しかもスパース性あり・なしの2通り)を公表していて、同じものを指しているかがメーカー資料から分かりません。
AMDのカードは日本でいくらですか。
AMDは円の提示価格を公表していません。詳しくは本文の「AMDが公表しているカードと価格」をご覧ください。
出典と確認方法
このページの互換情報は、以下の公開仕様に基づいています。同じ手順でご自身でも確認できます。
- AMD Radeon RX 9000シリーズ 製品ページ(日本語):Radeonの仕様(VRAM・演算ユニット・精度別の行列演算性能・推奨電源)と、RX 9000シリーズが AMD FSR 4 に対応する記載(2026-09-23 確認)
- AMD プレスリリース RDNA 4 発表(2025-02-28):RX 9070 XT / 9070 のAMD公表価格(SEP・米ドル)
- AMD プレスリリース RX 9060 XT 発表(2025-05-20):RX 9060 XT(8GB・16GB)のAMD公表価格(SEP・米ドル)
- NVIDIA GeForce RTX 50 シリーズ 製品仕様(必要システム電源):各カードの消費電力(Total Graphics Power)、必要システム電源、補助電源コネクタ、および必要システム電源が前提にしているCPU
- NVIDIA「現行世代と前世代の GeForce シリーズのグラフィックス カードの比較」:RTX 50シリーズのCUDAコア数、AI TOPS、レイトレーシングのTFLOPS、標準メモリ構成、メモリインターフェイス幅、RTX 40シリーズ(4070/4070 SUPER/4070 Ti/4070 Ti SUPER/4060 Ti)のCUDAコア数と標準メモリ構成(2026-09-11)
- Adobe Premiere Pro 必要システム構成:GPUの動作要件(NVIDIA/Intel/AMDの併記)
- Blender マニュアル GPU Rendering(Cycles):AMDのHIP対応と、OptiX(NVIDIA専用)でしか使えない機能
- DaVinci Resolve 15 Configuration Guide(Blackmagic Design):GPUの動作要件は OpenCL / CUDA / Metal のいずれかで動くと書かれています(2018年の版です)
- PyTorch 公式インストール案内:ROCm(AMD)がLinux限定で、Windowsでは配布されないこと
- Stable Diffusion web UI 公式Wiki(AMD GPUs):WindowsとAMDの組み合わせが公式対応でないこと、Linuxでの条件つき動作
- Ollama ドキュメント GPU:AMD Radeon の対応カードと、WindowsとLinuxで対応範囲が違うこと
- LM Studio システム要件:GPUのメーカーに一切触れていないこと(書かれているのはVRAM容量だけ)
この記事の互換情報は、各メーカーが公開している仕様をもとにしています。誤りが残る可能性もあるため、購入前にメーカーの公式仕様もあわせてご確認ください。
判定の根拠は判定の方法にまとめています。