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結論:条件付きでNO。ゲームは速くできず、ローカルAIなら2枚のVRAMに分けて載せられます
条件付きでNOです。ゲームを速くする目的なら、2枚を合わせて使う仕組み(SLI)にRTX 40・50シリーズは対応していません。ローカルAI(自分のPCで動かす文章生成AI)で、1枚のグラボのメモリ(VRAM)に収まらないモデルを使うなら、2枚に分けて載せられます。
ローカルAIで2枚目を足す場合の候補
ローカルAIで1枚のVRAMに収まらないモデルを動かす場合の候補は、グラボのメモリ(VRAM)が16GBのRTX 5060 Tiです。16GBのカードを2枚にすると、16GBの1枚には収まらない大きさのモデル(たとえば文章生成AIのQwen2.5 32Bを小さくした版は、配布ファイルだけで約20GB)を分けて載せられる計算になり、補助電源(電源ユニットからグラボに電気を足すケーブル)も1枚につき8ピン1本で済むため、この1枚にしています。2枚目を挿せるスロットがあるか、電源の容量と補助電源の差し込み口が2枚分あるかを、買う前に下の手順で確かめてください。ゲームを速くする目的なら、2枚目は買いません(RTX 40・50シリーズはSLIに対応していないため)。対応を確認しやすいメーカーの製品から1つずつ選んで並べたもので、当サイトが実際に使用して比較したものではありません。購入前には、必ずメーカーの仕様欄で対応状況をご確認ください。
PNY | ピーエヌワイ VCG5060T16DFXPB1-O (GeForce RTX 5060 Ti OC 16GB)
使い道で答えが分かれる
ここでの2枚挿し(2枚刺し・二枚刺しとも書きます)は、グラボを2枚同時にマザーボードへ挿して使うことです。使い道で答えが分かれるので、先に表で分けます。ローカルAIのために2枚目を考えているなら、次の節は飛ばして「ローカルAIでは」の節から読めば足ります。
| 使い道 | 2枚目が働くか | どうするか | どこに書かれているか |
|---|---|---|---|
| ゲーム | 使えない(RTX 40・50シリーズはSLIに対応していない) | 2枚目を買わず、1枚を買い替える | NVIDIAの仕様の表とサポート記事 |
| ローカルAI(動かすソフトのOllama) | 1枚に収まらないモデルだけ、2枚に分けて載せる | 1枚に収まらないモデルを使うときだけ2枚目を足す | Ollamaの公式FAQ |
価格は日々変わるため、この記事には載せていません。当日の価格は、上の商品カードのリンク先でご確認ください。
ゲームでは、2枚を合わせて使う仕組み(SLI)が使えない
NVIDIAの「グラフィックス カードの比較」の仕様の表では、RTX 50シリーズとRTX 40シリーズのどのカードも、SLIの行(NVIDIA NVLink (SLI-Ready))が「No」です。SLIは、2枚のグラボを1枚のように使ってゲームを描く仕組みです。
SLIに対応していた世代についても、NVIDIAはサポート記事で、2021年1月1日からSLIの設定(ドライバーのプロファイル)を新しく足さないと書いています。RTX 3090とそれより後の対応カードでは、ゲーム側がSLIを組み込んだ場合だけ使えます。いまのゲームを速くしたいなら、2枚目を足すより、1枚を性能の高いカードに買い替えるほうです。
ローカルAIでは、1枚に収まらないモデルを2枚に分けて載せられる
ローカルAIを動かすソフトのOllamaは、公式のFAQで、モデルが1枚のGPUに収まるならその1枚に載せ、収まらなければ使えるすべてのGPUに分けて載せると説明しています。1枚に載せるほうがPCIバス(グラボとマザーボードの間のデータの通り道)を通るデータが減るので、通常はそのほうが速い、とも書いています。つまり、1枚に収まるモデルしか使わないなら、2枚目は使われません。
たとえばQwen2.5 32Bを小さくした版(Q4_K_Mという形式)は、Hugging Face(AIのモデルの配布サイト)の配布ページの「Files and versions」に出るファイルの大きさで約20GB(19.9GB)あり、VRAMが16GBのカード1枚には収まりません。16GBのカードを2枚挿せば、分けて載せられる計算です。実際に動かすときは、ファイルの大きさに会話の履歴などの分が加わります。
2枚目を挿す前に確かめる順番
- いま使っているモデルが1枚のVRAMに収まっていないかを確かめます。Ollamaなら ollama ps の「PROCESSOR」の列が「100% GPU」でなければ、VRAMに収まらず、パソコン本体のメモリにあふれています(Ollamaの公式FAQの見方)。
- マザーボードの型番を、Windowsの「システム情報」(msinfo32)の「ベースボード製品」で控えます。その型番で製品ページを開き、「拡張スロット」の欄で、グラボを挿せる長い差し込み口(x16と書かれた形のスロット)が2本あるか、2本目が何レーン(データの通り道の本数で、x16なら16本)で動くかを見ます。ここまでで分からないときの目安は、AMDのマザーボードだけにあります(インテルのマザーボードは製品ページの欄で確かめます)。AMDのマザーボードは、型番に入っているチップセット(B850 や A620 のような、マザーボードの種類の名前)でも目安が分かります。AMDの表では、X870E・X870・B850・X670E・X670はCPUにつながるグラボ用のレーンを「16本を1本のスロットに」か「8本ずつ2本のスロットに」分けられ、2枚とも8本で使えるのは、そう作られたマザーボードだけです。B840とA620は「16本を1本のスロットに」だけなので、2枚目はチップセットにつながる、レーンの少ない別のスロットに挿すことになります。
- 電源の容量を確かめます。NVIDIAが公表する必要システム電源は1枚の前提で、GeForce RTX 5060 Tiは600W(Ryzen 9 5900X搭載のPCが前提で、CPUが違えば必要な容量も変わります)です。2枚にすると、2枚目のカードの消費電力(GeForce RTX 5060 Tiは180W)の分だけ多く使います。2枚の場合の必要システム電源は、NVIDIAは公表していません。
- 補助電源(電源ユニットからグラボに電気を足すケーブル)の差し込み口が、2枚分あるかを見ます。GeForce RTX 5060 Tiは1枚につき「PCIe 8ピン×1(変換アダプター同梱)または 300W以上のPCIe Gen 5ケーブル×1」が要ります(ここでのPCIeは電源ケーブルの規格の名前で、上のPCIバスとは別のものです)。
- 2枚目のカードの厚さ(スロットを何本分ふさぐか)と、ケースに入る長さを、カードとケースの製品ページで確かめます。
最初の確認は画面の上で、残りは製品ページで確かめられます。挿す作業は、PCの電源を切り、電源ケーブルをコンセントから抜いてから行います。
買わなくてよい場合
- ゲームを速くしたいだけなら、2枚目は要りません。SLIが使えないためです。
- 使うモデルが1枚のVRAMに収まっているなら、2枚目は使われません。Ollamaは1枚に収まるモデルを1枚に載せます。
- 電源の容量か補助電源の差し込み口が足りないなら、2枚目より先に電源の買い替えが要ります。
間違えるとどうなるか
ゲームのために2枚目を買うと、そのカードはゲームの描画に使われず、払ったお金がそのまま残ります。ローカルAIのためでも、使うモデルが1枚に収まるならOllamaは2枚目を使いません。また、2枚目をチップセットにつながるレーンの少ないスロットに挿すと、2枚の間のデータのやり取りはそのスロットを通ります。Ollamaが「1枚に載せるほうが通常は速い」と書いているのは、このやり取りが減るためです。
よくある質問
いまのグラボと違う型番のグラボを2枚挿してもいいですか。
挿すことはできますが、ゲームで2枚を合わせては使えません。Ollamaは、モデルが1枚に収まらないとき、使えるすべてのGPUに分けて載せると説明しています。電源の容量と補助電源の差し込み口は、2枚の合計で足りるかを確かめます。
SLIのブリッジを買えば、RTX 50シリーズでもSLIが使えますか。
使えません。NVIDIAの仕様の表で、RTX 50シリーズとRTX 40シリーズはSLI(NVIDIA NVLink)に対応していないためです。
2枚にするより、VRAMの多い1枚に替えるほうがいいですか。
1枚に収まるなら、1枚のほうです。Ollamaは、1枚に載せるほうがPCIバスを通るデータが減り、通常は速いと書いています。2枚は、1枚では収まらないモデルを動かすための手段です。
出典と確認方法
このページの互換情報は、以下の公開仕様に基づいています。同じ手順でご自身でも確認できます。
- NVIDIA「現行世代と前世代の GeForce シリーズのグラフィックス カードの比較」(NVLink の行):仕様の表の「NVIDIA NVLink (SLI-Ready)」の行が、RTX 50 シリーズ・RTX 40 シリーズのどのカードも「No」であること(2026-10-09 実ブラウザで確認)
- NVIDIA サポート「NVIDIA SLI Support Transitioning to Native Game Integrations」(2021-09-29 更新):2021年1月1日から RTX 20 シリーズ以前に新しい SLI のドライバープロファイルを足さないこと、RTX 3090 とそれ以降の SLI 対応 GPU では SLI はゲーム側が組み込んだ場合だけ使えること、クリエイティブなど非ゲームのアプリは SLI のプロファイルなしで複数GPUに対応すること(2026-10-09 実ブラウザで確認)
- Ollama 公式ドキュメント FAQ「How does Ollama load models on multiple GPUs?」:モデルが1枚のGPUに収まるならそのGPUに載せ、PCIバスを通るデータが減るので通常はそのほうが速いこと、1枚に収まらなければ使えるすべてのGPUに分けて載せること(2026-10-09 実ブラウザで確認)
- Ollama 公式ドキュメント FAQ:モデルがGPUに載っているかの確認方法(ollama ps の Processor 列)と、既定のコンテキスト長
- Hugging Face のファイル一覧:モデルの配布ページで「Files and versions」を開くと、ファイルごとのサイズが表示されます。使いたい量子化のファイルサイズが、重みを入れるのに必要な容量です。大きいモデルは複数ファイルに分割されていることがあり、その場合は合計が必要な容量になります。
- Windowsの「システム情報」(msinfo32):Windowsキー+R を押して「msinfo32」と入力し、「システムの要約」を開きます。2026-08-24にWindows 11(ビルド26200)でレポートを出力し、上記の項目が並ぶことと、電源に関する項目が1つも無いことを確認しています。
- AMD「Socket AM5 Chipset」(チップセット比較表):AM5のチップセットごとの、グラフィック用PCIeの世代・5.0に使えるレーン数・CPUとメモリのオーバークロックの可否・USB4の扱い・USBとSATAの本数
- マザーボードの製品ページ(拡張スロット):メーカーサイトで型番の仕様欄を開き、「拡張スロット」の項を確認します。x16の形状でも実際はx4動作というスロットがあるため、形状ではなくレーン数の記載を見てください。
- NVIDIA GeForce RTX 50 シリーズ 製品仕様(必要システム電源):各カードの消費電力(Total Graphics Power)、必要システム電源、補助電源コネクタ、および必要システム電源が前提にしているCPU
- グラフィックボードの製品ページ(寸法・補助電源):メーカーサイトで型番の仕様欄を開き、寸法と Power Connectors の項を確認します。同じGPUでもメーカーやモデルによって全長は大きく変わるため、GPU名ではなく製品型番で確認してください。
BTO・メーカー製PCをお使いの場合、マザーボードの型番は、Windowsの「システム情報」の「ベースボード製品」、または CPU-Z の Mainboard タブで確認できます(別のソフトを入れられない環境では、システム情報だけで足ります)。そこに出た型番でメーカーサイトが見つからないときは、マザーボードのメーカーではなくPCを買った店の製品ページ(構成表)と、その機種のサポートページを見てください。それでも分からない項目は、購入元に問い合わせるのが確実です。
この記事の互換情報は、各メーカーが公開している仕様をもとにしています。誤りが残る可能性もあるため、購入前にメーカーの公式仕様もあわせてご確認ください。
判定の根拠は判定の方法にまとめています。