本記事にはアフィリエイト広告を含みます。掲載している互換情報は各メーカーの公開仕様に基づいており、広告の有無によって内容を変えることはありません。
結論:違いは3つです。グラボの差し込み口の世代、CPUの設定、USB4
- グラフィックボードを挿す差し込み口の新しさが違います
- CPUをメーカーが決めた速さより上げて動かせるかが違います
- 速い外付け機器向けの端子(USB4)が標準かが違います
チップセットとは
チップセットは、マザーボード(CPUやメモリ、グラボを挿す、パソコンの土台の基板)に付いている部品で、そのマザーボードで使える機能を決めます。X870・B850・A620のような名前で、マザーボードの製品名にも入っています。基板に付いた部品なので、あとから足すことも替えることもできません。グラボを挿す差し込み口の規格は PCIe(ピーシーアイ・イー)といい、数字が大きいほど新しい世代です。メモリを速く動かす設定(EXPO)は、AMD公式の表に載っているすべてのチップセットでできます。
自分のマザーボードのチップセットが分からない場合は、Windowsの「システム情報」で「ベースボード製品」の型番を見てください。型番の中に B850 や X870 といった文字が入っていることが多く、入っていない場合はその型番でメーカーサイトの仕様欄を開けば分かります。
この記事は、AM5(AMDのソケット)のマザーボードを選ぶ前に読むものです。IntelのCPUをお使いの場合や、すでに組んだPCで困っている場合は、下の記事のほうが近いはずです。
次のような状況の方は、こちらの記事も併せてご確認ください。
AMD公式の比較表
以下はすべて、AMDが公開しているAM5チップセットの比較表の値です(2026-08-28に確認)。当サイトが言い換えたり、推測で埋めた行はありません。
| チップセット | グラフィック用PCIe | 5.0に使えるレーン(データを送る通り道) | CPUの速さを上げる設定 | メモリのEXPO | USB4 |
|---|---|---|---|---|---|
| X870E | PCIe 5.0 | 24 / 44 | ○ | ○ | 標準 |
| X870 | PCIe 5.0 | 24 / 36 | ○ | ○ | 標準 |
| B850 | PCIe 4.0 | 4 / 36 | ○ | ○ | 任意 |
| B840 | PCIe 4.0 | 0 / 34 | × | ○ | 任意 |
| X670E | PCIe 5.0 | 24 / 44 | ○ | ○ | 任意 |
| X670 | PCIe 4.0 | 8 / 44 | ○ | ○ | 任意 |
| A620 / A620A | PCIe 4.0 | 0 / 32 | × | ○ | 任意 |
「5.0に使えるレーン」は、CPU直結のPCIeレーンのうちPCIe 5.0で使える本数と、使えるレーンの総数です。「任意」は、そのチップセットを使う基板に備わっていることもあれば、無いこともある、という意味です。
AMD公式の比較表に B650E / B650 の行がありません(2026-08-28に確認)。当サイトも推測で足していません。市場に製品が無いという意味ではなく、その2つについてはマザーボードのメーカーの仕様欄でご確認ください。
よくある思い違い
「安いチップセットだとメモリを速く動かせない」
公式表では、載っているチップセットすべてでメモリのオーバークロック(EXPO)が Yes です。A620 も B840 も Yes になっています。できないのはCPU側のオーバークロックのほうです。
「B850でもPCIe 5.0のグラフィックボードが本来の速度で動く」
公式表では B850 のグラフィック用は PCIe 4.0 です。5.0に使えるレーンは4本で、これはNVMe(速い種類のSSD) 1基ぶんに割り当てられています。ただし4.0で動かないという意味ではありません。世代が違っても挿さって動きます。当サイトは実際の性能差を測っていないので、『4.0でも性能が出る』とは書きません。世代が違うときに帯域が何分の一になるかは公開仕様から計算でき、グラボはPCIe 4.0のカードを3.0のスロット(部品を挿す差し込み口)で使えるかにまとめています。
「X670はX670Eの安い版で、中身はだいたい同じ」
グラフィック用のPCIe世代が違います。X670E は 5.0、X670 は 4.0 です。5.0に使えるレーンも 24本と8本で差があります。
やりたいことができるかで選んでください
下の4つのうち、自分に当てはまるものがあるかを見てください。当てはまらなければ、その項目でチップセットを選ぶ理由はありません。
- グラフィックボードをPCIe 5.0で動かす:上の比較表の「グラフィック用PCIe」の列が 5.0 のチップセットです。体感の差は当サイトでは測っていません。
- CPUをオーバークロックする:上の比較表の「CPUの速さを上げる設定」の列が ○ のチップセットです。
- メモリをEXPOで定格より速く動かす:上の比較表の「メモリのEXPO」の列で、表のすべてのチップセットが ○ です。ここでいうメモリはマザーボードに挿すメモリで、グラボが持つメモリ(VRAM)とは別物です。
- USB4(40Gbps)の機器をつなぐ:外付けの高速SSDやドックです。使わないなら気にしなくて構いません。
チップセットごとの価格は日々変わるため、この記事には載せていません。候補の当日の価格は、下の商品カードのリンク先でご確認ください。
選ぶチップセットが決まった場合
上のとおり、やりたいことに当てはまらない項目のために上位のチップセットを選ぶ理由はありません。対応を確認しやすいメーカーの製品から1つずつ選んで並べたもので、当サイトが実際に使用して比較したものではありません。購入前には、必ずメーカーの仕様欄で対応状況をご確認ください。
MSI|エムエスアイ MSI B850 GAMING PLUS WIFI マザーボード B850 GAMING PLUS WIFI
よくある質問
X870はWi-Fi 7が標準と聞きました。本当ですか。
AMD公式のチップセット比較表に無線の行がなく、当サイトでは裏を取れませんでした。無線の規格はチップセットではなく、マザーボードごとの仕様欄で確認してください。
B850とX870は何が違いますか。
AMD公式の比較表では、違うのは3か所です。グラフィック用スロットのPCIe世代(B850は4.0、X870は5.0)、5.0に使えるレーン数(4本と24本)、そしてUSB4の扱い(B850は任意、X870は標準)です。CPUとメモリのオーバークロックは、どちらも対応しています。
B850でもPCIe 5.0のグラフィックボードは動きますか。
動きます。世代が違っても挿さって動きます。ただしスロット側は4.0で動作します。帯域がどう変わるかはグラボはPCIe 4.0のカードを3.0のスロットで使えるかで判定できます。
安いチップセットだとメモリを速く動かせないと聞きました。
AMD公式の表では、載っているチップセットすべてでメモリのオーバークロック(EXPO)が対応になっています。A620もB840も対応です。できないのはCPU側のオーバークロックのほうです。
X670とX670Eは同じものですか。
違います。グラフィック用のPCIe世代とレーン数が違います。詳しくは上の比較表をご覧ください。5.0に使えるレーンも24本と8本で差があります。
USB4があるかどうかは、どこで分かりますか。
X870EとX870は「標準」なので備わっています。それ以外は「任意」で、マザーボードごとに違います。候補の製品ページの仕様欄で、USB4の記載を確認してください。
B650やB650Eはどうですか。
AMD公式の比較表に、その2つの行がありません(2026-08-28に確認)。当サイトも推測で足していません。製品が無いという意味ではないので、基板メーカーの仕様欄でご確認ください。
出典と確認方法
このページの互換情報は、以下の公開仕様に基づいています。同じ手順でご自身でも確認できます。
- AMD「Socket AM5 Chipset」(チップセット比較表):AM5のチップセットごとの、グラフィック用PCIeの世代・5.0に使えるレーン数・CPUとメモリのオーバークロックの可否・USB4の扱い・USBとSATAの本数
- マザーボードの製品ページ(拡張スロット):メーカーサイトで型番の仕様欄を開き、「拡張スロット」の項を確認します。x16の形状でも実際はx4動作というスロットがあるため、形状ではなくレーン数の記載を見てください。
- マザーボードの製品ページ(メモリの仕様):メーカーサイトで型番の仕様欄を開き、「メモリー」の項を確認します。対応世代のほか、1枚あたりの最大容量と合計の最大容量が書かれています。サポート欄には「メモリー対応リスト(QVL)」があり、そのマザーボードで動作確認された型番が載っています。
BTO(注文時に構成を選べる完成品のパソコン)・メーカー製PCをお使いの場合、マザーボードの型番は、Windowsの「システム情報」の「ベースボード製品」、または CPU-Z の Mainboard タブで確認できます(別のソフトを入れられない環境では、システム情報だけで足ります)。そこに出た型番でメーカーサイトが見つからないときは、マザーボードのメーカーではなくPCを買った店の製品ページ(構成表)と、その機種のサポートページを見てください。それでも分からない項目は、購入元に問い合わせるのが確実です。
この記事の互換情報は、各メーカーが公開している仕様をもとにしています。誤りが残る可能性もあるため、購入前にメーカーの公式仕様もあわせてご確認ください。
判定の根拠は判定の方法にまとめています。